明治座で上演された「大逆転!大江戸桜誉賑(カーニバル)」を観覧した感想です。マツケンこと松平健をはじめとしたカオスな座長たちによるコメディ時代劇。笑いあり、歌もあり、涙もあり。そして最後にはお決まりのマツケンサンバも見れる、とても贅沢な舞台でした。
出演者だけで観劇を決めた!
私は今まで舞台の観覧をしたことがありませんでした。別に何かが嫌だったとかそういうことはなく、単純にそういう機会がなかったです。あの有名な劇団四季だったり宝塚だったり、そういうの含めてありませんでした。
が、ふとしたきっかけで、今回の「大逆転!大江戸桜誉賑」を知りました。その時のメンバーを見て、まあびっくり。
松平健ことマツケン、コロッケ、久本雅美、檀れいという、カオスな人たちではありませんか。
それぞれが単独で出ていても十分見応えがありそうなのに、そういう人たちが4人も集まるとは! 特に私の気を引いたのは、マツケンとコロッケの組み合わせ。マツケンは暴れん坊将軍はじめ、割と堅苦しい役柄を当てられるイメージがあります。一方のコロッケは五木ひろしのモノマネ?でとにかく笑わせてくる人。そんな対極にあるような二人がどのような舞台を繰り広げるのか? 出演者によって見るドラマを選んだりした経験がなかった私にとって、初めて「これは観たい!」と心から思わされてしまったのでした。
笑いあり、シリアスあり、涙あり、サンバあり
さて、そんな気持ちで観た今回の舞台、実際にどうだったか?
ものすごく良かったです。
前半はとにかく笑わせようという気概に溢れていました。マツケンが一番の主人公ということもあり、最初から暴れん坊将軍のパロディを容赦なくぶっ込んできましたね。殺陣で悪人をバッタバッタと倒すところも然り、背景でかかる音楽も然り。テレビ局に怒られそうなレベル。コロッケも町の傘職人という設定ながら、なぜか「モノマネが得意」という扱いで、たびたび得意のモノマネを披露してくれます。それもそれでもちろん面白いのですが、ちょくちょくマツケンや檀れいにモノマネをさせる無茶振りをかましてきます。
犬と猫とオットセイの喧嘩をのモノマネをするマツケン、ここでしか見れない!!!
そうやって大いに笑わせながら、前半の最後に檀れい役について思わせぶりな締め方を入れてきて「どうやらただ笑わせるだけの舞台ではないぞ?」ときゅっと気を引き締めてきます。
休憩時間ではお弁当も食べられますので、気になる方はぜひ。私は時間がなくて買えませんでしたが……。
後半はマチャミ炸裂でした。恋する乙女(?)のアラジン的なパロディに始まり、コロッケのモノマネショーに続き、とまた笑いを展開しつつ、話がどんどんシリアスになってきます。クライマックスは殺陣シーンもありつつ、檀れいの配役の真実が明かされるという。わりとベタながらも、夫婦愛とは何かを考えさせてくれる物語でした。最近結婚したこともあり、このシーンが地味に胸熱です。歳をとってもああいう夫婦でいたいな……最後はもちろんマツケンが黒幕を成敗して、めでたしめでたしです。
で、物語自体はここで終わるのですが、マツケンと来て、カーニバルときたら、もう言わずともおわかりですよね? マツケンサンバです! 生のマツケンサンバを見るのは初めてなのですが、もちろん曲は知っていたのでテンションぶち上がりでした。前の座席の人なんか、ペンライトだけでなく、サンバで使うあのボンボン的な棒まで持っていました。なんだそれ!
さて、以上が舞台の大まかな流れでした。
マツケンありき、それでいい
私がとにかく一番気に入ったのは、もちろんマツケンサンバでした! とりあえずこれが観たくてチケットを買ったと言っても過言ではありません。そして、やっぱり生で見ると、ファンの人たちの手拍子もあるので、家でテレビを観るのとは全然違う楽しさがありました。なるほど、音楽ライブに行く人たちはこういう気持ちなのか、というのを初めて理解したと思います。(実は音楽ライブもちゃんと行ったことがないので。。。)
そして、とにかく笑わせてもらいました。コロッケはお笑い芸人なので、もちろん笑いを取るのは得意なのですが、とにかくマツケンが主人公であるということを最大限に生かした笑いの取り方でした。冒頭の暴れん坊将軍のパロディに始まり、マツケンが普段やらないモノマネをやらされる、というシチュエーション自体に笑わされます。
私は常々、前提知識をあまり必要としないお話を書いたりしようと努めているのですが、今回の舞台のように「みんな知っている」ことを前提に、振り切った物語構成にしても面白いのかもしれないな、と考えたりしました。テレビにめちゃくちゃ疎い私でも、さすがにマツケンが暴れん坊将軍であり、サンバを踊る人という知識はありますからね。
以上、「大逆転!大江戸桜誉賑」の感想でございました。冒頭で書いた通り、笑いあり涙ありのとても贅沢な舞台でした。先日無事に千秋楽も迎えたようで何よりです。これから舞台やライブにちょこちょこ行ってみたいな、と思わせてくれるとても良い体験でした。