今日は先日投稿したオリジナル小説の裏話です。
まだ読んでいない方はぜひ。
初めてオリジナル小説をネットで公開しました。 『それでも私は雪を見る』 https://t.co/mlN4yicSRt 本当は一月の大雪のときに投稿したかった! でも、このクソ暑い時期に投稿できて逆によかったかな? 少年と少女の甘酸っぱい恋愛のお話です。— 蛮天丸 (@bantenmaru) 2018年7月22日
早速ですけれど、「甘酸っぱい恋愛のお話」と書いているツイート。
あれは半分嘘です。読んだ方はわかると思いますが。
でも、この小説のあらすじをどう書いたらいいのか?
一ヶ月以上経った今になっても、私自身にすらわかっていません。
最近、自分の書いた話を簡単なあらすじにまとめることが
だんだん難しくなってきているような気がしています。
このお話に軸がないわけではありません。
むしろ、その軸についてはひとことで言えます。
それは「少年が大人への戻れぬ一歩を踏み出した話」です。
けれど、今の文言を知らない人が見たら「は?」ってなるでしょう。
私自身はその言葉にとても惹かれるものがあるのですが、
一般的な好みというか、性癖ではない自覚があります。
ここは本当に難しい部分なんですけれど、
「売れる」ことと「好き」なことにはときどき隔たりがあって、
どうやってその橋渡しをするかに悩むことしきりです。
まあ、その話はまたいつの日か。
さて、なんで私がオリジナル小説を書いたのか。
あらためてそこから書いていきます。
ご存知の方は多いと思いますが、
私が小説というか、SSを書き始めたのは、
東方プロジェクトの二次創作でした。
東方創想話という二次創作小説を投稿できるサイトがあります。
いつこのサイトにたどり着いたのかよく覚えていませんが、
その作品で読んだとある作品に感銘を受けたのが、
私自身が書くことを始めたきっかけでした。
それなりに活動をしましたし、それなりの数の人たちに読まれたと思います。
そのうちにイベントで同人誌を自分で出すこともしました。
当時の東方プロジェクトの世界はとても盛り上がっていたし、楽しかったです。
そして、東方プロジェクトという場が大きくなってくると同時に、
「艦隊これくしょん」というジャンルが確立する流れも見てきました。
私も知人に教えてもらって艦隊これくしょんを始め、
好きなキャラクターも何人かいました。(鈴谷と大鳳が好きです)
そんなことで、今度は「艦隊これくしょん」でも二次創作をしたのですが、
ある時ふっと思ったのです。
このキャラクターは私が借りているキャラクターであって、
また流行りものが変わってしまったとき、
同じように書くキャラクターを変えていくのではないかな、と。
別にそれ自体は問題なかった。
実際、好きなキャラクターは変わってもいいわけですし、
二次創作だって好きなキャラクターで書くわけです。
好きなキャラクターが映える話を書くのが楽しいし、
そのキャラクターが活き活きと動くように話を書いていました。
でも、私自身は東方で書き続けているうち、
だんだん「これは二次創作じゃなくてもいいのでは?」という、
自身への疑問を抱くようになっていました。
その疑問はいつしかさらに大きくなり、私はある確信に至りました。
「私がやっていることは、私の書きたいことに、
別の作品のキャラクターを持ってきているんだ」と。
たとえば、私は秘封倶楽部でよく物語を書いたのですが、
あるときから構想のスタート地点が秘封ではなくなっていました。
それよりも私自身の中にあるもやもやしたものだったり、
興味があることだったり。
それを起点にしながらも、
「これって秘封じゃなくてもいいですよね」という批判をかわすため、
ストーリー上は秘封でないと成立しない仕掛けを入れる。
そうやって「秘封じゃないとできない話」に見せるわけです。
でも、違うんですよね。スタート地点に彼女たちはいないのだから。
そう考えると、私のやっていることは
キャラクターたちに対して失礼だという気持ちも湧いてくるのです。
だったら、自分でいちから話を作ったほうがいいな。
そういう気持ちからオリジナルを書く気持ちが生まれてきました。
それが今から4年くらい前でしょうか。
それからだいぶ時間が空きました。
私自身も創作に対する情熱が薄れていたので。
でも、ずっとオリジナルを書きたいという思いはひっそりとありました。
その思いが最終的に行動へ繋がったのが、今から半年以上前のことです。
それが今年一月の大雪のことでした。
読んだ方はわかるかと思いますが、
あの二人が手をつないだあのシーンと繋がっています。
別に私自身が雪の日に女の子と手をつないだわけではありません。
でも、その風景を思い起こす出来事は今でも忘れていません。
実はあのシーン、今からもう十年以上前に
小学校の国語のテストで受けたある物語のシーンのオマージュです。
物語のストーリーやあらすじ、登場人物はほとんど覚えていません。
覚えているのは、主人公が少年だったこと、
その主人公と女の子が雪の日に手をつなぐこと、
そして、物語は手をつないだところで終わっている、ということだけです。
それなのに、なぜその物語をずっと覚えているかというと、
テストの問題が「物語の続きを書け」というものだったからです。
私は、女の子がどこか遠くに行ってしまうこと、
そして、主人公が電車の改札まで女の子を追いかけたことを書いたと思います。
点数はどうだったか覚えていません。
でも、当時の私にしては結構面白く書けていたと思います。
小学生のくせして、悲恋で終わらせるところとか。
思えば、ものを書く楽しさはそこから始まったのかもしれません。
そんな過去の記憶が、あの大雪でふっと蘇ってきました。
そして同時に思ったのです。
「今、自分の書いた物語をもう一度書き直したらどうなるだろう」と。
こう書くと、結局今回の話も完全なオリジナルというわけではありません。
元となる物語が存在しているわけですから。
でも、そのワンシーン以外は本当に何も覚えていなくて、
他のものはすべて私がそれらしいものを作り上げるしかありませんでした。
だから、今回の話は一次創作ではない。
でも、二次創作でもない。
一.五次創作というのが正確なところでしょうか。
それでも、二次創作というところから離れてみて、
今までと違う世界に足を踏み入れてみた、
そんなところから物語作りは始まったのです……
といいたかったなあ。(続く)