徒然ゲーム録 シャニマスイベント『天檻』〜四人が見る世界を語ること

みんな、本当のノクチルを知らない。

とまあ、大仰に始めてしまいましたが、今回のシャニマスのイベントストーリー「天檻」。少なくとも私のノクチルというユニット像は大いに打ち壊されました。

ノクチルとの出会いがシャニマスとの出会い

そもそも、私がシャニマスに出会ったきっかけがノクチルでした。あれは2020年秋、浅倉透の「財布ないわ」がバズっていた頃だと記憶しています。(違うかもしれん) その影響もあり、月乃美兎というVtuberがシャニマスをプレイする動画をたまたま友人と一緒に視聴したのがすべての始まりでした。

その動画がこちらです。

私はこのプレイ動画に大きな衝撃を受けました。「この樋口円香という女、何者!?」と。プロデューサーがスカウトした浅倉透という女の子の幼馴染であり、透が騙されていないことを確かめるために、アイドルに興味あるフリしてまでやって来たなんて。そして、いざスカウトされたら、なんだかんだ皮肉吐きつつも、しっかりアイドルやってプロデューサーを泣かせるなんて!?

そして、次の動画を見てしまいます。それが浅倉透のWING編。

これが私にとってのトドメとなりました。何というか……文学。そう、浅倉透という人間を通して世界はどう見えるのか。そんな文学のようなものの見方を私はしてしまったのです。そして、そんなことをした時点で、私は終わりました。つまり、シャニマス世界に沼ってしまったのですね。

ノクチルは「エモい」のか? いや、違う。

ノクチルというユニットは他のユニットと異なり、それぞれがそれぞれの動機でアイドルになった人たちの集まりではありません。根源には浅倉透がおり、その幼馴染たちが集まった形です。そして、透がよく海の喩えを出すように、帆のついた小舟のように四人はぼんやりとした方向へ向かい、そこで何かを見て帰ってくる、という感覚があります。

それを私は「エモい」という表現でざっくり表していました。彼女たちの行動原理は「トップアイドルになること」とは大きく違うように見えます。いや、トップアイドルになることは目指しているのかもしれませんが、それはたまたま彼女たちの目指すぼんやりとした空間のどこかにある目標でしかありません。

じゃあ、そのぼんやりとした空間が何なのか? 今まではそれをはっきりと言葉にすることができませんでした。ただ、彼女たち四人の青春の空間を彼女たちが守ろうとしているように見えるので「エモい」という表現で逃げていました。「天塵」まではそれでなんとかなりました。

しかし、今回のイベントでは明らかに「エモい」とは違うノクチルが描かれていました。そもそも、最初の時点で別の人の「エモさ」が違うものとして明示されております。

では、彼女たちがアイドルとして戦略的にのしあがっていく? いや、そういうものでもありません。確かに彼女たちもソロでの仕事が入るようになりましたが、戦略性とも違う。

ノクチルに抱いた魅力、それを語る言葉

では何か、というと、実は先に書いた「浅倉透という人間を通して世界はどう見えるのか。そんな文学のようなものの見方を私はしてしまった」ことだと私は思うのです。そして、透をはじめ、彼女たちは私たちの常識の天檻を飛び出していく。

彼女たちが何を考えているのか、私たちははっきりと理解することはできない。でも、常識を越える気持ちよさがある。それがイベント冒頭のプールからの脱走や、最後のパーティーからの脱走で味わうカタルシスにつながるのだと思います。プロデューサー自身もそれを認めていますし。

上記のようなことは「エモさ」とはまったく違う感覚で、それが今回のイベントで叩きつけられて、本当に良かったです。でも、その感覚とは何か? 残念ながら、私がそれをうまく言葉にすることはできません。

常識を飛び越えることは「意外性」と言い換えられますが、それだけで言えばあさひも意外性満点のアイドルです。でも、彼女にはノクチルに感じられるような文学性が薄いと思う。(そもそも文学性が何かって話ですが。)つまり、「ノクチル=意外性」だけではないものを私は感じているはずなのです。

「可能性」は? プロデューサーが語っているように、彼女たちが海へ漕ぎ出すような、そんな可能性。でも、可能性だけで言えば、イルミネも無限の可能性があります。でも、イルミネの雰囲気もノクチルとは大きく違います。

私がノクチルに感じるものを明確に言葉にすることはできません。だから、今の時点では、やっぱり透の語る、「海」と語るにとどめたいと思います。大きな可能性、何が起こるかわからない意外性、その不安定感。

これからのノクチルを見ていきたい

これからもノクチルの物語は続いていくでしょう。いずれ次のイベントストーリーが出てくると信じています。その時に、もう少しノクチルというユニットを言葉で語れるようになったら、私が透に感じた気持ちの正体を掴めると、そう思うのです。