今回はシャニマスのイベントストーリー「if(!Straylight)」の感想です。ストレイライトのイベントストーリー、毎回好きなんですよね! 今回は特に複雑ながらも素敵に着地していたと思います。
今回のストーリーも実にストレイライトらしい内容だったと思います。ストレイライトはリアルとフィクションのレイヤーをうまく重ねて演出するというコンセプトだと思いますが、今回もいろいろなレイヤーがうまく重なって繋がってきた気持ち良さがあります。
冒頭から愛依ちゃんが仕事とプライベートの選択を迫られるシーンが出てきます。ここでいきなりタイトルをひとつ回収してきましたね。もし愛依ちゃんがストレイライトでなければ、もちろん家族と楽しい夏休みを過ごすことでしょう。そういう「空想」のレイヤーがいきなりここから出ることが面白い。
そして、三人が引き受けた舞台の仕事のイベントもこれまた特殊なものです。その仕事の依頼人自体がストレイライトをよく意識しているというバックがあるせいか、舞台の主人公「モモ」が冬優子と似ていて、「アオ」は愛依ちゃんに酷似しています。「シロ」は……まあ、置いておいて。
すでに三人はストレイライトとして、少なくとも二層のレイヤーを行ったり来たりしていますが、今回の仕事はそれに輪をかけてややこしく絡まってきている。単純にその被せ方が好きなんですよね。謎が謎を呼ぶ的な、知恵の輪を解くような面白さで。
でも、この物語の着地は、知恵の輪のような感じではなかった。知恵の輪の面白さは、複雑に絡まった要素を別々に解きながら、最後に全部の要素を一気に繋げて解くところだと思っています。この物語はそうではなく、いろいろなレイヤーを丸ごと愛する、ような感じだったように思うのですよね。
特に自分がそれを感じたのは、愛依ちゃんのこのセリフでしょうか。
この舞台のアオというキャラクターはもちろんフィクション。しかし、フィクションながら現実の愛依ちゃんの素のキャラクターに酷似している。それを丸ごと受け入れて、やり切ろうとする覚悟を見せてくれることに感銘を受けました。
以前のイベントでも、愛依ちゃん自身が作り上げた「クールな愛依サマ」像を愛すると受け入れたのと同じ覚悟なんだと思うのです。こういう姿、デビュー当時の不安だらけの愛依ちゃんからはとても考えられなかったのですが、彼女もとても成長しているのだと感じました。
そして、ラスト。愛依ちゃんが舞台の仕事を引き受けたことで犠牲にしたと思ったプライベートでの花火シーン。ここも二者択一という答えではなく、仕事も成功してプライベートも楽しんで、という丸ごと受け入れることの表れだと感じました。若干ご都合主義なのかもしれませんが、それはそれでいいのだと思います。
そして、最後の冬優子の問いかけ。
正直、プレイヤーを見事に刺しに来たと思いました。参った。私の答えもプロデューサーと似たところでした。結局、今のストレイライトを知ってしまったら、それ以外の選択肢は考えられないです。だから、やっぱり同じように三人を探してしまうでしょう。
そうしてこの物語は幕を閉じます。本当、よくできた構造でした。
あっ、あさひにまったく言及しませんでしたが、彼女はいつもの彼女でした、うん。上記のことをグタグダ悩まず、最初っから受け入れているので言うことないです。
前々回のイベントストーリーで「ストレイライト、完!」というくらい綺麗に物語が終わってしまったので続きが無いかと心配していましたが、今回のストーリーが描かれて本当によかった!
この三人の物語は、最近他人事ではなくなってきましたよね。VRが出てきて、アバターをみんなが当たり前のように持つ可能性があるから。そんなとき、アバターも含めて丸ごと愛せるか。
物事のいろいろなレイヤーが複雑に絡まっていることを受け入れられるか。一つを解けばいいわけではないことを受け入れられるか。
そんなことを、この物語を終えて思った次第です。それにしてもこの三人、本当にかっこいいな。。。