ゲーム感想

徒然筋肉録『リングフィットアドベンチャー』 ~ジョーワンは一生許さない

マジできつかった!

2020年秋……新型コロナウイルスが猛威を振るい、日本では二回目の緊急事態宣言も発出され、人々はステイホームを強いられていた。だが、人類は死滅していなかった!

ユアッシャー!

はい、茶番すいません。

さて、実際、2020年秋の日本人はステイホームを強いられており、私も結構在宅ワークしました。在宅をすると出歩かないので運動不足になってしまうんですよね。週に最低一回はランニングも継続していましたが、意外と出勤時にそこそこの距離を歩いていて、運動量が多かったことに気づかされました。

そんな最中に発売された本作『リングフィットアドベンチャー』。新垣結衣さんのCMが話題になっていましたね。そんな流行に乗って私も買いましたとも、ヨドバシカメラで。大流行する直前だったので普通に買えました。

ムキムキになりたかった

ランニングはそこそこできる自信があります。しかし、筋トレが嫌いでして。筋トレ10分やるならランニング一時間やる方が良い、って言っちゃうくらい筋トレ嫌いでして。

なぜならランニングは時間こそ長いですが、やっている時間の苦痛はそこまでではないんですよ。苦痛の最大ラインが低い。一方、筋トレは一瞬だけど、苦痛の最大ラインを超えちゃうんですよ。それが私にはつらくて。

しかし、私はムキムキになりたかった。筋肉が欲しかった。でも、楽して得られるほど筋肉は甘い顔を見せてくれないことも知っています。だったら、大好きなゲームで、筋トレ苦痛を乗り越えてやろうじゃないか! そんな理由で買ったわけです。

大好きなゲームが滅茶苦茶ハードル高いわ。

まあ、そうは言ってもゲームですから。楽しく緩くできるでしょうと思い、いざパッケージを開封してリングフィット! イケボなリングくんとの冒険が始まる!

そんな予想は簡単に裏切られました。このゲーム、思った以上にガチな筋トレをやらせてきます。はい、下のスクリーンショットを見てください。

ネタバレっちゃネタバレだが、このゲームならだいじょうぶでしょ。

私がワイドスクワットをやっています。この日3セット目のワイドスクワットです。1セットあたり35回くらいやっているので、このセットを終えると100回超えますね。

いやいやいや。マジでつらい。

このゲームを買う前に、自主的にスクワットをやっていた時期もあったんですよ。でも、軽く曲げるスクワットで100回/日くらいでした。でも、このゲームは深く曲げて数秒耐えて、それから戻るスタイル。私の太腿が悲鳴を上げる!

ハイ、次。

このボス、パッツパツの服着ているな……

レッグレイズ。これもガチな筋トレメニューです。スクワットほどきつくないけど、回数こなすと下腹部がパンパンになります。

とまあ、本格的な筋トレメニューが私を待ち受けていました。回数は自分で設定したレベルに合わせて増減し、私は最高レベルなので回数が多いんですが、それにしてもマジの筋トレ。

あと、最初信じられなかったのが「マウンテンクライマー」というメニューが入っていたこと。これ、元サッカー日本代表の長友選手が心肺機能強化のために行っていたメニューです。テレビで見たとき、本人もやりながらきつそうな顔でした。

トッププロ選手と同じメニューをやるんかい。

初回はあまりのきつさに規定回数の半分手前で力尽きました。

こんな感じでたかがゲームのはずが、どえらい目に遭いました。高橋名人の「ゲームは一日一時間」という名言がありますが、リングフィットアドベンチャーではこの明言をちゃんと守りました。

っていうか、一時間やってたら足腰立たないわ。

そして、2年の歳月が流れた……

って書きましたが、2年は嘘です、1年半です。

決して積みゲーにしていたわけではなく、最低でも2週間に1度はプレイしていました。それでもメニューのキツさに1回あたり1時間やるのが精一杯でした。

そして、ミニゲームやミッションをこなして、余計にメインストーリーが進まない日々。『新すばらしきこの世界』でわかったのですが、一度寄り道をするとじっくりやりこみたくなる性分らしいです、私。

そうして、コツコツとやりながら、やっと昨日、ラストステージをクリアしたというわけです。もうね、ラストステージはキツすぎて少し不正して……それでもきつかった。途中水飲みすぎてお腹ちゃぷちゃぷしてました。

とはいえ、やっとクリアできたので嬉しかったですね。一つのゲームをクリアするのに、コツコツやりながら1年半というのは初めてです。なんだかんだ継続したことを自分で褒めたい!

結局、ガチの筋トレをやらされたものの、当初の私の予想が当たったんでしょう。ゲーム大好きだから、筋トレの苦痛を乗り越えるという。

4人の仲間たちのうち、「ジョーワン」は絶対許さん! お前の筋トレつらかったんだぞ!!!

あってないようなストーリー、でもなんかおかしくね?

こんなゲームなので、ストーリーの評価はしません。でも、なんか途中から「ん???」という気持ちをずっと抱えていました。

ラストのシーンですね。このゲームならネタバレしても問題はない。

このゲーム、最初に主人公の相棒となる「リング」くんと出会います。そして、彼と一緒にボスの「ドラゴ」を追い、彼の野望を止めるというストーリーなんですね。王道です。

と思っていたのですが、どうもこのリングくんとドラゴは旧知の仲であり、二人で一緒に筋トレでお互いを高めあっていたという過去を知ることになります。ま、まあこれもよくある設定です。

しかし、このドラゴがほとんどのワールドでボスとして出て、倒すたび別のワールドに逃げていく。そのたび、リングくんがドラゴの身を案じる台詞をつぶやきます。

「あのまま無茶なトレーニングをしていたらドラゴは……」

そして、冒険の道中でもドラゴとの温かい思い出を語るリングくん。

つまり、そういうことです

……ガチの筋トレをやらせておいて、なんでそんな甘酸っぱいお話なんだよ!!!

なんだかんだで、筋トレが習慣化されたので、いいゲーム

と、ストーリーにツッコミ入れましたが、なんだかんだで基本週一回くらいはガチの筋トレをする習慣がつきました。そして、最初はキツすぎた筋トレメニューも、今では普通のキツいくらいになったという実感はあります。

人間、年をとっても筋肉は成長させられるそうです。最近、不摂生で若干太りましたが、体重測定で筋肉も純粋に増えたことを実感しました。大学卒業くらいの体脂肪率に戻しても、筋肉量は明らかに多くなってます。

別に健康になりたいわけではなく、なかなか身に着けられなかった筋肉が欲しかったという私の欲望。1年半という期間、やっぱり筋肉をつけるというのは楽なことではありませんでした。でも、なんだかんだでこのゲームが叶えてくれたこの欲望。このまま筋トレは続けていきたいですね!