ゲーム感想

ゲーム感想「ポケットモンスター スカーレット」〜異彩ながら深みのある群像劇

今回は「ポケットモンスター スカーレット」の感想です。ポケモンシリーズの中で独自の魅力を放つ作品。主軸となるキャラクターの深みに溢れていて、今までのポケモンとは違う感動を得られることでしょう。

それでは、今回の心への旅に出かけましょう!

目次

  1. あらすじ
  2. 一番印象が変わったのはこいつ、ペパー
  3. イジメという題材に踏み込んだスター団
  4. ネモはマジのバトルジャンキー、ずっと圧かけてきたよ…
  5. コライドンの覚醒が激アツ!
  6. 今回の結論

あらすじ

主人公は外からパルデア地方に引っ越してきた少年・少女。転校したオレンジ学園で、課外授業の「宝探し」が行われることになった! 主人公は強いトレーナーの頂点を目指したり、秘伝のスパイス探しを手伝ったり、不良集団の退治を手伝ったりすることに。そうしてできた仲間たちと共に、エリアゼロと呼ばれるパルデア地方の謎の場所へと足を踏み込むことになる。。。

一番印象が変わったのはこいつ、ペパー

この物語の第二の主人公と言っても良い、と私は思います。最初、彼に出会った時には「なんて嫌なやつなんだ」と思いました。なんかすかしている印象だったんですよね。そこでいきなりスパイス集めを手伝ってくれと言われても。。。お前と私、そんなに親しかったかい?と疑問を抱いていました。

しかし、話を進めて行くうちに、秘伝スパイスを集めているのは自分の好奇心のためだけでなく、相棒のマフティフのためだったということがわかってきます。とてもベタながら、そこで彼が思いやりがあって優しい人物なのだと知ることができました。そして、一緒にスパイスを集めて行くうちに、彼のユニークさと主人公への想いが深まっていくことも感じられました。

そうしていくうちに、気づけばペパーへの印象が180度変わりましたね。何がきっかけで、というところはないのですが、本当に無意識のうちに彼への印象が変わっていました。そして、物語のクライマックス。あまりネタバレはできませんが、彼の出自と育ってきた環境を考えると思いを馳せずにはいられない。そう思えたのも、それまでの自然な流れがあってこそだと思います。

イジメという題材に踏み込んだスター団

次にボタン。まあ、彼女の正体は割と早い段階から予想がついていました。しかし、彼女がスター団にどれだけ強い思い入れがあったのか、それを知った時にはそれなりに驚きました。

それ以上に、ポケモンという作品でイジメという難しい題材を扱ったことに驚きました。ともすれば炎上しかねない問題によく踏み込んだなと。もちろん、根源的なところまで触れるだけのストーリーの尺はないのですが、もともとイジメられる立場の人に、様々なバックボーンを与えていたことに驚きました。お坊ちゃんらしい人もいるし、ムキムキで強いはずの人もいるし。剣盾からかなり〇〇団という組織が悪役から離れていたことを感じていましたが、スター団に至ってはむしろ逆の立場だったのかもしれません。

ボタン自身というよりは、彼女とその仲間たちの熱い絆に感動しました。これもベタながら上手いところに着地させたと思います。

ネモはマジのバトルジャンキー、ずっと圧かけてきたよ…

そしてネモ。Twitterではバトルジャンキー的な扱われ方をされていましが、ぶっちゃけその通りでした。ジムチャレンジを進めていく中で不意に現れては勝負を挑んでくる。ジムに挑むのだって緊張していたのに、そこにネモかよ!と何度思ったことか。なかなか油断できない人でした。

ポケモンリーグを制覇した後、当然彼女とバトルすることはわかっているのですが、本当に最後の最後まで緊張感を与えてくれる人でした。でも、勝負が終わった後の風景はすごく印象的でした。綺麗な夜景だったなあ。

コライドンの覚醒が激アツ!

最後にコライドン。彼……でいいかな、イケメンだし。

もちろん普段の冒険から乗り回していたし、ペパーとのストーリーでも元の力を取り戻していく描写があるので思い入れが自然に出来上がっていました。それでも最後の覚醒シーンは本当に激アツでしたねえ。バトルで「どう足掻いてもこれ勝てる要素ないのでは?」と思わされたのに、最後の最後であんな覚醒してくれるんだもんな。本当にすごいやつでした。このアツさは今までのポケモン作品史上、最高だったと思います。コライドン、かっこよかったぞ!

結論:最後のみんなの冒険、本当にワクワクしたぞ!

物語の最後に4人+コライドンでエリアゼロを冒険することになるのですが、それぞれのシナリオできちんと掘り下げられているおかげでみんなの冒険に本当にワクワクしました。

今までポケモンって一人で孤独に頑張るイメージがあったのですが、今回は物語から始まるゲーム体験が素晴らしいと感じます。

歴代の中でも異色作になると思いますが、こんな挑戦をこれからも続けてほしいですね!