うーん、見ちゃった。見ちゃいました。映画「翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜」。何しろ私は埼玉県民なのでね! 今回もどんなしょーもない話になるかと思ったら、想像以上にしょうもなくて大満足でした!
それでは、今回の心への旅に出かけましょう!
目次
- あらすじ
- ドラッグじみた映像に時代劇がかった演技
- 誇張に誇張を重ねれば炎上回避! いいのかそれで!?
- 意外とそれぞれの県民愛がある
- 県民愛=ディスり合い(愛)
- でも、最後にひとつだけいいですか?
あらすじ
「埼玉に海を作る!」
……!?
主人公、麗がぶち上げた壮大な夢に向けて、麗と仲間たちは和歌山県の白浜から砂を持ち帰るために関西へ向かう。しかし、関西にも以前の東京・埼玉と同じ、大阪至上主義の超格差社会があった! 滋賀解放戦線のメンバーと共に、麗は再び大いなる戦いへ挑む。
ドラッグじみた映像に時代劇がかった演技
映像については、まあハッキリ言って最近の大作に比べればしょぼいです笑 もちろん、この映画に映像美など求めていません。なので、この点は全然許容範囲。
それよりも、甲子園の地下の強制労働施設での演出がヤバかったですね。すぐに流されるパートかと思いきや、たっぷり時間をとってドラッグ映像を流し続けられたので、どうかしてしまいそうです。
そして、前作と同じく、古き良き時代劇じみた演技が冴えていたと思います。とにかくしょうもないことで大げさに驚くのがこの映画の面白さだと思うのですよ。
「埼玉に海を作る」という夢をぶちあげたら、「何馬鹿なこと言ってるんだよ、さっさと煎餅食え」となるところが、「なんだってぇ!!!」とみんなしてたまげるから面白いんですよねえ。大げさなリアクションをするというのは笑いの鉄板ネタのひとつですが、この映画でもそれが遺憾なく発揮されています。
あと、GACKTペロペロ。ヤバいヤバい。何を見せつけられているんだ?笑
誇張に誇張を重ねれば炎上回避! いいのかそれで!?
その演技も然り、とにかくこの映画は「笑うしかないくらい誇張する」が笑いのキモであり、炎上を免れるポイントだと私は感じます。
例えば、奈良県を通る時には「鹿がたくさんいる」というのを「トナカイの大軍団が平原を駆け巡る」という形に誇張しています。なんでトナカイ!? なんで大群!?
あるいは甲子園の地下の強制労働施設。「チャーリー等のチョコレート工場」のパロディ満載だし、半ばカイジだし、この時点で結構怒られそうです。しかし、それを上回るような露骨な県民差別にも笑うしかありません。魅力ない県ランキング下位軍団は前作以上に人間扱いされていません。
もう何もかもが間違っているのですが、ツッコミどころしかないことで呆れを通り越して笑うしかないわけです。
意外とそれぞれの県民愛がある
と、基本的にはコメディな映画なのですが、テーマの部分というか、「それぞれ県の良さがある!」ということを伝えることも忘れていません。
今回の舞台は滋賀県ですが、関西で埼玉県と同じ扱いを受けていることに映画スタッフが気づいたことがきっかけだそうです。
それだけ聞くとまあひどいんですが、「琵琶湖の水止めたろか」という近畿特有のギャグを実現させようという心意気がすごい。本当に琵琶湖の水を止めたらどうなるか、という想像は愛がなければできないことです。
一番わかりやすいのはラストの現代パート。埼玉県民の妻が陣痛を迎え、出産に向けてみんなが協力するシーン、それまで悪者扱いされていた大阪のおばちゃんが助産師として立ち会ってくれるという熱い?展開があります。大阪のおばちゃんは人情深いことを端的に表しています。なんだかんだ敵同士のように思っていたものが、お互いの良さに気づいて認め合っているという終わりに持っていくのが、県民愛というものなのでしょう。
県民愛=ディスり合い(愛)
前作もそうだったのですが、「翔んで埼玉」は市中で行われるどーでもいい出身地貶し合いをど真面目にやったところが非常にユニークだと思います。
テレビ番組では各県の魅力をまともに(?)アピールしているのに対し、この貶し合いの超拡大版というアプローチがやはり独特です。そして、貶しながらも先に書いたように、中途半端にではなく、呆れるくらい誇張しまくることで炎上を回避しつつ、笑いに持っていくバランス感覚にも優れていると感じます。。。いや、バランスしてないわ、アクセル踏み込みまくってた。
そんなこんなで、今回の映画も大笑いさせてもらいました。私は埼玉も滋賀も、実はそれなりに知っておりまして。平和堂があちこち出てくるところもツボっていました。周りの人ポカンとしてたけれど笑
でも、最後にひとつだけいいですか?
埼玉には琵琶湖ねーんだよ!!! 埼玉は何を止めれば東京に勝てるんだ!?