映画感想

映画感想「キングダム2〜遥かなる大地へ」〜オッサン、サイコー!

今回は先月公開された映画『キングダム2〜遥かなる大地へ』の感想です。前作もめっちゃ面白かったのですが、今作はオッサンがサイコーすぎる映画でした。

信と仲間たちのアクションが熱い

今作はいよいよ将軍を目指す信の初陣となります。が、前作で六面八ぴの戦いをしたにもかかわらず、スタートは伍という軍の最小ユニットからの出発になります。しかし、そこは人間離れした身体能力を持つ信らしく、特攻で相手の完全な陣形をいきなり崩すところから戦いは始まります。正直、予想通りの展開なのですが、これがスカッとするんですね、最初から。パワーとスタミナで雑魚をぶっ飛ばす様は、いつになってもたまらないものです。

そしてもう一人、今作のアクションで面白かったのが羌瘣(きょうかい)。信と同じ伍に属することになった謎の人物ですが、彼……もまた、人間離れした身体能力の持ち主で、これまた綺麗に敵を薙ぎ倒していきます。スタミナ切れを起こしやすいという欠点はあるものの、これがまた逆にいい演出になっていました。仲間を守るためにスタミナ切れ寸前まで戦うところは、かなりハラハラする。

でも、今作はそれだけではありません。

オッサン、サイコー!

前作は個の戦いがメインでしたが、前述のように今回は軍団の戦いです。そして、その軍団を指揮する将軍がおり、その命令を実行する現場リーダーがいて、という組織の戦いも描かれています。今作は各立場のリーダーたちがそれぞれかっこいいんですよねえ。

特に私が好きだったのが、突撃しか能がないと言われた千人将の縛虎申(ばくこしん)。序盤こそ敵軍団に対して無茶な突撃を繰り返させ、多くの兵を死なせてしまいます。よくある漫画ではこういう無能の将軍は打ち捨てられることになりがちですが、この映画では違います。多くの屍を踏み越えた先にあるかすかな勝機を見つけ出し、そこに最後の突撃をかけていくのです。これは映画を見ないと分かりづらいですが、とてもかっこいい。彼自身が「多くの屍を生み出している」ことを自覚しており、その責任をちゃんと果たすという信念の持ち主だから、余計にね。

それから、それぞれの軍団の長たる将軍の最後の一騎打ちも良かったです。あれこれ策や直感や運を張り巡らせて、戦況がクライマックスになったところで一騎打ちをする。これがね、いいんですよ。もちろん、史実では大将軍同士が一騎打ちするなんてなかったのでしょうが、これはそういうリアリティということではなく、象徴の一騎打ちなのです。

こちらの将軍が言ったように「一が十を動かし、十が百を動かし、百が千を動かし、千が万を動かす」。個の映画で言えば、信が伍を、伍が百人将を、百人将が千人将を、そして軍団を動かしたのです。それを締め括るいい一騎打ちでした。将軍の度量と覚悟が伺えるシーンです。

映画ではわずかこの一つの戦いしか描かれなかったので「完結までに何作続くねん!」という感じもありますが、それでも十分に熱い映画でした。

オッサン、サイコー!