Season 1
アニメとしての完成度はかなり良いと思います、っていきなり上から目線で言ってしまうのですが。
ただ、それでもプリコネのようなオールスターアニメとして作ろうとした印象も受けました。主眼はスペシャルウィークとサイレンススズカ+トレーナーになっていますが、各話人気のウマ娘をちょいちょいねじ込まれているな、と思ってしまう箇所もあり。
例えば、宝塚記念のグラスワンダーとの一騎打ち。もちろん史実通りに差されるわけですが、彼女との因縁の伏線が弱いと感じました。同期であることは最初から示されていましたが、唐突に宝塚記念直前でスペシャルウィークを意識したように見えました。
しかし、多少の不自然さはあるものの、特にサイレンススズカのエピソードはとても熱く、史実で起こりえなかった奇跡の復活を丁寧に描かれていて、最終盤はじんわり来ました。また、スペシャルウィークが「日本総大将」と呼ばれるまでの経緯は、エルコンドルパサーを中心に丁寧に伏線が張られていて、これはとても上手いと思います。
総じて、ウマ娘オールスターで若干散らかった部分はあるものの、ストーリーはうまくまとまっていて、見ていて楽しかったです。
Season 2
物語としてはこちらの方が圧倒的にいいです! すごくよくまとまっています。
トウカイテイオー視点、メジロマックイーンをライバルという軸を据えつつ、Season 1で挙げた「オールスターでとっ散らかった」という点も、ストーリーの中に見事に組み込んでいると思います。
例えばライスシャワーとミホノブルボン。これはライスシャワーがメジロマックイーンを倒すという話に組み込みながら関係が描かれていました。また、BNWは「新しい世代」としてストーリー序盤から脇でチラチラ描写されていましたが、最後にビワハヤヒデが頭一つ抜けて、最後のトウカイテイオーとの戦いにつながってくるというのも見事。オールスターアニメでありながら、物語の主軸にうまく合流してくるのは本当に上手いです。
また、純粋にトウカイテイオーとメジロマックイーン、両者の想いがきちんと描かれているのも良かったです。特にデート回。ベタですが、トウカイテイオーが特別な想いを抱くことがはっきりわかります。
また、メジロマックイーンが大きな故障をして挫折してしまいますが、最後のレースで涙を流してトウカイテイオーを応援するシーンは本当に泣けました。なぜなら、彼女はそれまで自身の弱い面をあまりトウカイテイオーに見せたことがなく、むしろ故障に苦しむ彼女を強く励ますシーンが多かったから。そんな彼女が初めてボロボロ泣いて、というのは……まあ……性癖です。好き。
唯一、気になった点と言えば、トレーナーがあんまり前面に出てこなかったことですかね。特にメジロマックイーンの方に。まあ、でもこれは本当に些細なことで。
やっぱりこういう勝負もののアニメを観ると「勝負って、いいよな」って思ってしまいますね。