アニメ感想

「リコリス・リコイル」が私に合わなかった、たったひとつの理由

百合アニメとして、今期No.1と呼ばれる『リコリス・リコイル』。確かにすごい。しかし、ここでこの作品のファンの人に謝っておきます。すみません。

私にはこの作品、まっっっったく合わない!

ということで、今回は「リコリス・リコイルが私には合わなかった、たったひとつの理由」を書いていきます。

炎上覚悟!

百合アニメにあぐらかくな!

と、冒頭で喧嘩を売りつつ『リコリス・リコイル』に触れる前に、さらに世界中の百合オタクを敵に回してしまいますが。

そろそろ「百合だから」という理由だけで評価するの、やめません?
次のレベルにそろそろ行きませんか?

「百合」の定義は千差万別ですが、女の子と女の子の関係性が描かれれば、それすなわち百合、というあたりは大体共通しているはずです。そして、女の子は可愛いじゃないですか。つまり、可愛いと可愛いの関係性ですよね?

私、知っているんです、絶対の方程式。マックの女子高生から学びました(嘘)

カワイイ×カワイイ=最強

つまり、百合は最強なんです。

これは可愛いの極み。顔がいい。

これがどれくらいすごいかって、カレーとライスの関係性くらいすごい。カップヌードルにぶち込まれる白米くらいすごい。ハンバーガーにポテトセットはいかがですか?

人気が出て当たり前でしょ?と、私はひねくれちゃうのです。

確かに15年前くらいは百合はマイナージャンルだったと思います。しかし、優れた先人たちが優れた百合作品を生み出したおかげで、現在は百合というジャンルはもはやメジャージャンルのひとつになったと思います。『まどか☆マギカ』あたりはその代表ではないでしょうか。

結果、今は百合アニメは世間に溢れてしまっている。それは良いことなのですが、困ったことに私はそれで満足しない体になってしまいました。欲しがり屋さんなんですね。

なので、私は「百合アニメ」と判断した瞬間、自分の好みのハードルを上げてしまっているんですよ。

「それ以上の何かが欲しい!」と、欲深き私は叫ぶのです。

でも、「それ以上」はなかったよ……

さて、『リコリス・リコイル』に話を戻します。私の求める「それ以上の何か」はあったのか?

なかったんですよ、これが……少なくとも私の求めるものではなかった。

そのたった一つの理由が「主人公の千束の葛藤する描写がとても薄くて、彼女に共感できない」ことです。

確かに、このアニメは色々なところが優れています。作画が綺麗、声優がすごい、世界観が緻密に作られている、多様性に配慮しているなどなど。世間の声と同じく、私もこれが「今期の覇権」と言っても差し支えないと思います。

この前後のシーンは相当配慮がされていると思う。

しかし、『まどか☆マギカ』のような衝撃があったかというと、私はそうではなかったです。

千束のキャラ造形が薄いとは思いません。むしろ設定モリモリで、それがストーリーに活かされているので、面白いキャラクターだと思います。でも、共感できないので、あまり好きではない。

なぜ共感できないかというと「彼女がほとんど葛藤しないから」です。

作中、千束には様々な苦難が襲いかかります。厳しいミッションから、テロリストとの戦い、自分の身に起こった致命的な出来事。普通なら、何かしら悩んだり、絶望したり、逃避したりしたくなることもあるでしょう。でも、千束はそれらを全部前向きに受けとめます。

今思えば、これだって何かしら葛藤あってもよかったと思う。

リアルなら、すごく好きになれる子なんです。でも、これってフィクションなので。エヴァのシンジくんとまでは言いませんが、私は千束にも葛藤してほしかった。彼女が葛藤することで、自分たちと同じように悩み、苦しむことを知って共感できることもあると思うのです。

葛藤でいえば、たきなの方がそうした描写が多く、彼女の変化もわかりやすいです。なので、私個人は、たきなの方が好きです。まあ、彼女がリアルで身近にいたらちょっと困るけど、まあ、やっぱりこれってフィクションなので。

しかし、たきなは「もう一人の主人公」であり、メインではないと私は感じているので、ここがバランス悪いと思うんですよね。たきながメインの主人公なら、かなり私好みの作風になったと思います。

私が百合アニメに求めるもの

ということを書いて、私は無意識ながら、百合アニメにも他の物語と同じものを求めているらしい、と気づいたのです。

それは「主人公が葛藤して、彼(彼女)に変化が生まれる」ことです。

こういう表情、これですよ、私が求めているのは!

何度も比較するようで申し訳ないですが、『まどか☆マギカ』は間違いなくそれが主軸です。周りの人物たちの戦い、絶望を見た上で、魔法少女になることを決意する物語。あるいはゆるふわ日常系の『ごちうさ』でさえも、ココアの小さな葛藤が、小さな変化を生み出している。そういうの、好きなんです。

でも『リコリス・リコイル』からはその要素がすっぽり抜け落ちている。だから、私は好きになれない。

もしかしたら、意図的に「葛藤」というぐだぐだ展開を省いているのかもしれません。結果、確かに物語はテンポ良く進んで、見ていて飽きることはありません。それはもちろん評価できるんです。

でも、それは私の好みではなかった。だから、このアニメは私には合わなかったのだと思います。

最終回でどんでん返しがある!?

以上、「リコリス・リコイルが私には合わなかった、たったひとつの理由」でした。

今さらカバーするようでアレですが、これはとても個人的な話です。私は百合というジャンルを否定する気はないですし、このアニメが優れたものであることはわかっています。ストーリーの続きは気になっているので、毎週観ています。だから、私の中のハードルがどんどん上がってしまいました。

ですが、クライマックス近くになって「ンンン? もしかして私個人の期待を満たす方向にはならない?」と感じ始めてしまったのです。それで、こんな記事を書いてしまった次第。

今回の発見:葛藤するキャラクターが私は好きだ。

最終回までに、その個人的な感想がひっくり返ってくれたら嬉しい!! どうなんだろう!!!??

映画の最後のどんでん返しのようにね!