アニメ感想

アニメ「ARIA The NATURAL」感想~小さな日々の変化を受け止めて

以前もブログに書きましたが、実はしばらくこのアニメをじっくり見ておりました。じっくりっていうか、まったりというべきでしょうか。第1期にも思ったことですが、この作品は日常のちょっとした出来事を中心に描く物語で、時間は流れているものの、とてもゆったりした感じで描かれています。

でも、その中でこのシーズンではケット・シーをめぐる出来事がたびたび起きているのが印象的でした。それは時に少し怖く、時に不思議で、時に優しい。アクアと灯里のつかず離れずの距離を象徴しているみたい、とアリシアさんが話していましたが、本当にそんな感じです。

このシーンは印象的でした。

ケット・シーが猫の王様ならそれは納得です。猫もつかず離れず、たまにそれが揺れながら、という生き物ですから。ちなみに、私は猫に好かれないです。私は猫を好きなのに……(´;ω;`)

このシーズンで私が好きなのは、藍華ちゃんが髪型を変えたときのエピソードです。女性にとって、そして彼女にとって髪型というのがとても大事だというのがよく伝わってきました。

この髪型、好き。

長髪の彼女も、短髪の彼女も素敵だな、と思いつつ、一番かわいいのはアルくんを意識しているその所作でしょうか。あまり恋愛要素のない物語シリーズの中でちょっと甘酸っぱいのが新鮮でした。あと、完全にギャグだったのは性転換回。ずっとゲラゲラ笑ってました。特に暁さんの女性版。見た目がすっごい乙女なのに声が男すぎていかんです。これ、収録現場どうなってたんだろう???

さて、毎度思うのですが、本当によくこんな物語を紡げるなあ、と感心してしまいます。もちろん、現実のヴェネツィアをモデルにして、その風習や文化をモチーフにしていることもあるのでしょうが、着眼点はそれぞれの人たちの小さな変化が出発点なのだと思います。先ほどの藍華ちゃんの髪型の話も然り、アリスちゃんが笑うようになる話も然り。

こういうところ、晃さんがサラっと言っているのですが「嬉しいことも、悲しいこともちゃんと受け止めて」というニュアンスなのだと思います。人生、劇的に変化するときもありますが、それは意外と短い期間で、あとの長い期間は平坦で何も変わらないような日々思えてしまいます。でも、実際は日々の中に小さな変化があって、それを受け止めていくことができれば、平坦なような日々も素敵に見えるようになるのだと思います。

そんな感覚をこの作品から教えてもらった気がします。灯里はきっとそういうことを無意識にできる子なのでしょう。アイちゃんと同じように、私も灯里にちょっと憧れてしまうなあ……。